Q&A


  ■コード進行とソロの関係について
質問:回答ありがとうございました。”ひじをわずかに動かすだけ””1弦に対してピック
を平行に”はかなり効きました。脱力はまだ80〜90%くらいですが、だいぶいい音に
なってきてます。あと、音作りの問題もかなりあったようで、ギター本体のノブを絞ると
抜けがよくてきれいな甘い音になりました。いずれにせよ、すごい助かりました。
 今回質問したいのはソロの際バックで鳴っているコード進行についてなのですが、
@ソロを耳コピする際、コード進行も耳コピしたほうがいいのでしょうか。ブルースを
耳コピしてた時はキーだけ出してコード進行は無視でした。いまはブルース以外の曲
ばかり耳コピしていますが、明らかにコーダルなフレーズの時や、メインで使われて
いるスケールに含まれていない音が出てきた時だけバックのコードを聴き取るように
しています。
Aいまの僕ではコーダルなアプローチはほとんど取れませんが、モーダルでもバック
のコードのブロークンコードが常に見えている状態でアドリブを取るべきなのでしょうか。
X7だけ、キーから見て完全5度・長7度・長2度・完全4度(これはいまいち合わない)
がコードトーンだとは暗記してあります。あと、セカンダリーとかサブドミマイナーが
混ざってるところだけ”(たとえば)完全4度を半音上げなきゃ”とかソロを弾く前に
あらかじめ調べて暗記しといて注意するくらいで、ブロークンコードが見えているわけ
ではありません。それ以外の通常のダイアトニックコードによる進行の時は、
ブロークンコードはもちろん、コードネームも見えていません。というのも、
アボイドのこともあり、ソロが浮くか浮かないかを決めるのは理論的にはフレーズの
中の目立つ音がブロークンコード上の音かどうかだと言えると思うのですが、実際には
ギタリストは耳による音感だけで乗り切っているのかな、と勝手に思っているからです。
でも、たとえばツェッペリンの「天国への階段」のソロでは、マイナーペンタを
メインにしながらも短6度メジャートライアドが鳴っているところで短6度を強調した
フレーズがありますが、もし僕がアドリブで同じようなフレーズを弾いたとしたら、
”マイナーペンタをメインに”ということで完全5度に指が伸びて音を外していたと
思うんです。それは完全5度と短6度を聞き分けられるように相対音感をもっと
鍛えればいい(モーダルならブロークンコードが見えていなくてもよい)、という
問題なのか、やはりコーダルであってもモーダルであってもソロの際はバックの
コード進行のブロークンコードが見えるようにしなくてはならない、という問題
なのでしょうか。
Bコード進行を常に認識するべきだとしたら、コードネーム丸暗記ってことでしょうか、
結構大変な気がしますが慣れの問題でしょうか。それともディグリーとかによる
認識でしょうか。よろしくお願い致します。(from らーめんさん)

回答:こ、こんにちは、らーめんさん。下手すると僕の回答文より長い質問が。。
す、凄すぎる。とりあえず1個ずつ回答します!

>ソロを耳コピする際、コード進行も耳コピしたほうがいいのでしょうか。
>ブルースを耳コピしてた時はキーだけ出してコード進行は無視でした。

ブルースを弾く時はコード進行を意識します。Key=Aのブルースであれば
5小節目のD7でディミニッシュのフレーズを弾いたりしますし、他にも
山ほどコード進行は意識します。

>いまの僕ではコーダルなアプローチはほとんど取れませんが、
>モーダルでもバックのコードのブロークンコードが常に見えている状態で
>アドリブを取るべきなのでしょうか。

そうですね、Gミクソリディアンで弾く時に、Fコードのブロークンコードを
弾いたりしますね。ラリーカールトンが良くやる手法ですが。いずれにしても
G7→F/Gと考えてなければありえない手法、すなわちG7は見えてます。

>完全5度と短6度を聞き分けられるように相対音感をもっと鍛えればいい
>(モーダルならブロークンコードが見えていなくてもよい)、という問題なのか、
>やはりコーダルであってもモーダルであってもソロの際はバックのコード進行
>のブロークンコードが見えるようにしなくてはならない、という問題なのでしょうか。

”モーダルならブロークンコードが見えていなくてもよい”ってのは
ちょっと違うのかナ〜っと思いますね。モードは歌いまわしが重要ですから
歌いまわしの一つとして特定のブロークンコードを弾くっていうのは良く
ありますよね。バックのコードだけじゃなくて、コードを「スーパーインポーズ」
しないといけないと思うんですが。スーパーインポーズとは映像編集での
用語ですがひとつの画像の上に別の画像を表示する機能です。良く思い出の
シーンとかで映像が流れながら過去の思い出が薄い映像で重なって見える
ドラマとかありますよね。あれスーパーインポーズって言うんですが、
音楽でもそういうことはあって、一つのコードの上で演奏家の頭の中には
違うコードを想定して弾く、みたいな事はありますよ。僕のアルバムでは
Overdriveという曲でそういうアプローチをしてます。あ、あと当然相対音感は
勿論大事です。

>コード進行を常に認識するべきだとしたら、コードネーム丸暗記
>ってことでしょうか、結構大変な気がしますが慣れの問題でしょうか。

事実として、セッションをすればスタンダードを弾かないといけない
場合もあるわけで、例えば、こないだチックコリアのスペインをセッション
しましたが、僕はこの曲は渡邊史さんとレコーディングしているので
コード進行覚えてましたけど、一緒に演った人は譜面無しでバッキング
弾いてましたよ。つまり「覚えている」って事ですよね。バッキングが
出来る曲じゃないとソロ弾けないんじゃないですかね?ソロとバッキングは
表裏一体のような気がします。

あと、セッションに行くと、「知らない曲なのに知っているふりして
弾いている人」とかたまにいます(笑)が、それはとても良いことで、
曲を演奏している短時間の中でKeyやコード進行を予測し、なんとか
合わせて弾く。これはコード進行を認識しよう、という気持ちの現れ
ですよね。もう既にギターの指版上の問題ではなく、頭の中の話に
なってますね。結局のところ僕は感覚を大事にしてるんです、という
所でご理解下さい。m(_ _)m では!

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