Q&A


  ■どういうふうに活動していけばいいのでしょうか?
質問:はじめまして。今プロドラマーを目指して音楽の専門学校で頑張って
ます。二年生です。将来的にライブのセッションや、レコーディング、
音楽の指導等のさまざまな仕事の以来を受けられるようなプロミュージシャン
になりたいのですが、実際卒業後どんな風に活動していけばいいのかが
全く見えてきません。何か一つでも提案があれば教えていただきたいです。
(from リーさん)


回答:はじめまして、リーさん!もしかして、ブルース・リーに
影響を受けているハンドル名だったりとか??すみません、余計な
勘ぐりでしたm(_ _)m

さて、プロ・ドラマーを目指されているということですが、今ドラムの
仕事が激減していることは音楽専門学校に通われているということで
習っているとは思いますが、本当に仕事少ないと思います。
リーさんのイメージされている仕事について僕なりのコメントを
していきたいと思いますが、まずライブのセッションですが、セッション
をしてもギャラは入りませんよ。従って、これは仕事では無いですよね。

ご自分のバンドを組んでライブをやってお客さんが沢山来てくれれば、
「チャージ・バック」ということでライブハウス側からバンドに支払い金
がありますので、それをメンバー間で配分すればお金は入ると思いますが、
リハーサル代やチケットノルマ分の代金もありますので、ヒットしている
ポップ・バンド等に加入されれば収入は結構入ると思いますが、そうで
ない場合、例えばジャズのセッションライブ等は厳しいとは思います。
(勿論、そうでない方も大勢いますよ)

レコーディングに関しては、最近の打ち込みの技術は本当に凄くて
我々ギタリストでさえも、コンピューターのギターのクオリティーが
凄すぎて、仕事無くなったらどうしよう、と思ってる位ですよ。
ドラムに関しては、ヒップホップやテクノ系のわざと打ち込みっぽく
する表現は勿論、ロック系等の生演奏の打ち込みドラムもバリエーション
が本当豊富にあって、簡単にロック的なドラムを得ることが出来る時代
ですから、レコーディングの生演奏で収入を得ていくのは本当に難しい
時代だと思います。

最後に音楽の指導ですが、この話はあまり今までのQ&Aでも触れてきません
でしたが、一体日本にどの位の音楽の講師がいると思います?きっと
数え切れない位沢山いると思いますよ。大学・専門学校やスクールと契約
して教えている人も沢山いると思いますし、自宅でのレッスンであれば、
「今日から僕は講師です!」と名乗れば誰でも講師になれる訳です。

僕は音楽活動の他に、講師としても今まで1000人以上の生徒を
指導してきましたが、その経験から言うと、講師の巧さというのは
「その先生が巧くても駄目」なんですよ。講師の仕事とはあくまでも
「生徒が巧くなってナンボ」なんですよね。
例えば、「この先生は有名だから習いに行く!」と教わりにいっても
その先生自体に「教育メソッド」が無ければ、生徒はお金だけ払って
先生の凄い演奏を見て「わあ!凄い!」と思って、あたかも自分が
巧くなった気でいるんですが、実際問題としては生徒自身は全く巧く
なっていない・・・というケースを良く見ます。

バンドで成功してメジャーデビューして、は凄い事だと思いますし、
生徒がそういうバンドに入りたい!と憧れてその人たちに習いに行く
のもそれだけの求心力がある、という事ではとても凄い事なんですが、
生徒自身が巧くならなければ、その生徒さんはその先生に習ったこと
すらも後悔する場合だってあるんですよ。そういう事例を沢山今まで
見てきました。

講師の仕事は音楽が巧いのも必要ですが、(生徒より自分が下手になったら
引退する、位の覚悟が必要だと僕は思います)何よりも「教え方が
巧いか下手か」が重要です。教えるのが好きなのは当たり前ですよ。
教えるのが好き!って発言すれば誰でも教えるのが好きだと言えるんですから。
そうではなくて、「どういう風に説明をすると解り易く物事が伝わるのか」
「生徒が興味を持つような授業の運営はどういったものなのか」
「やる気が無い生徒のモチベーションを上げていくにはどうすれば良いのか」
等についての具体的な手法をきちんと持っている、というのがプロ講師だと
僕は思います。やる気が無いのは生徒が悪い、なんて言っている時点で
今の時代の音楽講師は出来ませんね。やる気を出させてナンボですよ。
講師には気力や活力も求められるんです。

僕からのアドバイスとしては、音楽活動と、音楽教育活動は似て
異なるものです。いきなり両方の仕事を同時にするのはかなり難しいと
思われます。まずはご自分が活動されようと思うのか、
生徒を育てようと思うのか、考えられた方が良いと思いますよ。
難しい話になってしまいましたが、応援しておりますので、頑張ってください!!

[前のページ]  [メニュー]  [次のページ]