Q&A


  ■A7の時にAm7のアルペジオを弾くのはどうなんでしょうか?
質問:加茂さんお久しぶりです。いつも教則本やHPのQ&Aを見て
勉強させていただいてます。いつも丁寧な回答で非常に
ためになります。またまた質問があります。
ブルース系のセヴンスコード中心の曲の場合、メジャー3度は
もちろんマイナー3度もブルーノートとして使えますが、
実際僕はメジャー三度がうまく使えない、というか
あまり好きではありません。なんだかメジャー3度を
使うとあまりにも平和すぎるというか、
「のほ〜ん」とした雰囲気になってブルージーさや
ロック感がなくなるからです。ですがブルースでも明るい
雰囲気の曲の時はメジャー3度は重宝します、が
ロック色が強い曲、フュージョンなどでは圧倒的に
マイナー3度を使います。ここからが本題なのですが
例えばA7の時にAマイナー7のアルペジオを弾くのは
どうなんでしょうか?コッツェンやカールトンなど
フュージョン系のコードトーンを巧みに使うギタリストは
このようなアプローチを使ってるような気がしますが
自分はマイナー3度をセヴンスコード上で弾くときは、
あくまでブルージーに弾くだけなのでアルペジオ的な使い方は
「いいの!?」とか思ってしまいます。もちろんその
フレーズ自体はコードに対してもかっこよく決まっているの
ですが・・・このようなアプローチはいいのでしょうか?・・・
という質問は音楽的にナンセンスだと思うので(笑)
このようなアプローチを加茂さんはどのように考えて
いらっしゃいますか?ご回答よろしくお願い致します!
(from モアさん)

回答:モアさん、こんにちは。モアさんの質問は鋭いですね〜。
ちなみに、この回答って僕はラジオの投稿に対するパーソナリティー
の「べしゃり」ってありますよね?そのつもりで回答していますので
「間違った答えをしてしまうかも」ということを恐れず全てアドリブで
回答しています(笑)ですから、理論的に間違ったこととか言うかも
しれませんし、僕も今はそういう回答だけど明日にはやっぱ違う、って
事もあるかもしれませんので、あまり深く捉えずに気軽にお願いしますね。
モアさんの、軽い質問というのも歓迎しますよ(笑)
例えば、加茂さんはビール派ですか?日本酒派ですか?とか!!
そういう質問も募集していますので、送って下さい!

ということで、回答です。もしかしたら今回の回答はモアさんの意見と
ずれちゃうかもしれませんが、勘弁して下さいね。m(_ _)m

>なんだかメジャー3度を使うとあまりにも平和すぎるというか、
>「のほ〜ん」とした雰囲気になってブルージーさやロック感が
>なくなるからです。

僕はそうは思わないです。「メジャー3度」とか「マイナー3度」とか
そういうミクロな問題ではなく、ロック感とかブルージーさとかそういうものって
「フレーズ全体のサウンド」から発生すると考えますので、メジャー3度を
使っても、「節回しによっては十分ロック感であったりブルージーな感じ」に
なると思います。

>例えばA7の時にAマイナー7のアルペジオを弾くのは
>どうなんでしょうか?コッツェンやカールトンなど
>フュージョン系のコードトーンを巧みに使うギタリストは
>このようなアプローチを使ってるような気がします

僕は、コッツェンやカールトンがそのようなアプローチを使っている曲という
のは聞いた事が無いのでわかりませんが、基本的にフュージョンでもジャズでも
「A7の時はA7を意識したフレーズを弾く」というのが良いと思います。
ちょっと外れたような感じに聞こえるという意味で「アウトなフレーズ」と
いう話が良く出てきますが、これってミュージシャンが「A7だと明確に意識していて
A7のフレーズも弾けるんだけど、あえてそれを弾かないで外れたような音を弾く」
というアプローチなので、アウトでもインでもいずれにしても「A7はA7」というのが
基本的な考え方です。(僕はそう考えます)

そういう考え方もありつつ、一方でモアさんのご質問の状況
「ブルース系のセヴンスコード中心の曲の場合」というのを考えると、
「A7の時に、A,C,E,Gという音を使ってフレージングしたという状況」もありえます。
A,C,E,Gというのは言うまでも無く「Am7の構成音」ですよね。
だけども、これは同時に「Aマイナーペンタトニック」に含まれている音でもあります。
もしかしたら、モアさんが疑問に思っているフレーズはミュージシャンが
「Am7と思って弾いたフレーズではなくて、Aマイナーペンタトニックと思って
弾いたフレーズ」な可能性もあります。Key=Aのブルースにおいて、ミュージシャンが
Aマイナーペンタと、Aメジャーペンタを織り交ぜながら弾くというのは常套手段ですので
「A,C,E,Gという音の並びがA7の時に登場したという事実」はあるのかもしれませんが、
それは「A7の時にAm7を弾いた」ということとは違うと思います。
要するに僕が言いたいのは、アドリブの方法論について考える時は、何の音が使える
とか使えないとかも大事ですが、そのミュージシャンが「演奏中に何を意識してその
フレーズを弾いたか」ということを研究することが重要だと思うんですよ。その結果、
それが仮に「ミス・トーン」であったとしてもそれは大した問題ではありません。

参考までに、僕がカールトンから学んだフレージング方法を一つ紹介しておきたいの
ですが、「A7の時に、Gのアルペジオ(分散和音)を弾く」というものです。
このアプローチは、G→7th、B→9th、D→11thとなるので、洗練されたような雰囲気を
出すことが出来ます。「1音下のメジャートライアドのアルペジオ」という風に記憶
すると良いと思います。とは言え、あくまでも「A7はA7として考えている」というのが
基本ですのでここは間違えないようお願いします。「A7はGに変えた」という訳では
ありませんので!イメージ的には「A7というコードの上にGコードもプラスして発想する」
みたいな感じですね。試しに使ってみてください!

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