Q&A


  ■スタジオで録るプロの方々はどのように演奏環境を整えてるのでしょうか?
質問:以前は質問に答えていただき有難うございました。なんとなくもやもや
したものが取れてようやく一歩踏み出せそうです。
ところで録音についてなのですが、先日BossのBR1200-CDという自宅録音用機材
を買いまして、デモを作ろうと思ったのですがマイクでクラシックギター、
ヴォーカルなどを取るとなかなかうまくいきません。音量が小さくしか録れ
なかったり、音割れしたり。ノーマライズなる手法をすると解消されるのですが、
これは録った後にしかかけられません。おそらく・・・
最初からきちんと音量を大きく録るやり方は無いのでしょうか?クラシック
ギターは実音が大きいので良いとしても、ヴォーカルは自分が歌っている
声よりもヘッドホンから聞こえてくる音が小さいのでなかなか気分が乗らない
&音がとりにくいです。自作の曲なのに歌っている最中に本当にこれでいい
のかな?と不安になるという感じです。スタジオで録るプロの方々はどのように
して快適な演奏環境を整えているのでしょうか?そこが知りたいところです。
(from 廃トーンさん)

回答:廃トーンさん、こんにちは。自宅録音は大変ですよね〜。
しかも、マイク録音は結構音響的な問題が絡むので非常に難しいところです。
僕は自宅では正直音を録音しないので、あまり技術的なアドバイスに答えて
上げられないのが残念なのですが、まずノーマライズは音が悪くなるのでお勧め
しません。とは言っても音割れは当然避けたいですよね。ヘッドホンから帰って
くる音を大きくするには、ヘッドホンのボリュームを別にコントロールできないと
いけませんので、ヘッドホンアンプ等を導入すると良いと思います。(ちなみに、
MTRの内部でヘットホンの聞こえ方を調整することは難しいですか??)

あと、音が割れるのはいわゆる「インプットの入力レベルの設定」がうまく調節
できていないからだと思うのですが、それって例えばヴォーカルだったら凄い音が
小さい所と音が割れてしまうところが一緒のトラックにあるということですかね?
それだったら、録音の前段階で「コンプレッサー」というエフェクトをかけて
小さい音を大きくして、大きい音を押さえてレベルを少し均一化させる方向性で
録音してみたらどうでしょう?結局機材を買わないといけないという方向性の
アドバイスになってしまうんですよね〜。それなら、僕はレコーディングは
お金がかかってもスタジオでやったほうが良いと思うんですよ。

スタジオでレコーディングするのは確かにお金がかかります。でも、スタジオ
レコーディングを経験することはそのお金を差し引きしたとしても、とても
大事な事だと思うんです。「プロはスタジオで録る」のではなく、「スタジオで
録る事がプロに近づく」のかなと思うのですよ。それは音質がどうのとか
そういう事では無いんですよね。そりゃあ音質はいいですよ。1時間のレンタル
料金もリハーサルスタジオとレコーディングスタジオは全然違いますので、
機材に関しても電気関係に関してもきちんとメンテナンスされていますから
良い音が録れます。ただ、高いです。お金がかかります。だから、余分な音は
一切出している暇はありません。例えばスタジオで8時間パックとかありますよね。
そうすると、8時間という制限時間の中で仕上げなければいけないわけですから、
デモテープの録音でギターのレコーディングに30分以上かけてられないわけです。
ここが重要なんですよ。ちゃんと練習してスタジオにのぞんでいるか?
ワンテイクで終わらせるぞ!位の気合で演奏しているか?こういう緊張感は
スタジオでないとなかなか得られないです。それはプロでも同じで、確かに
予算を膨大に取れるプロジェクトはギターのレコーディングに1週間とかかける場合
もあるかもしれませんが、最近はそういうプロジェクトも少ないんじゃないかと
思います。プロは本当に演奏早いですよ。でもそれは緊張感のある場に自分を
置いてやっているからではないでしょうか。だから、僕は自宅で録音はしないん
ですよね。現時点では僕はレコーディングについてはスタジオを借りて音響
スタッフに全てを任せて、自分の仕事を全うする事しか考えてないです。

最近はプロでも自宅録音を選択する人が多いですが、僕の意見としては
プロだから逆に自宅録音をしても問題無いじゃないかと思うんですよ。プロの場合
集中して演奏が出来たり、スタジオでのレコーディングのノウハウを知っていますから
自宅録音であっても、良いサウンドに仕上げてしまうんですよね。逆に、僕が
残念だなぁと思っているのが、コンテストの審査員をしたりすることがありますけど
デモテープだととても良い演奏なのに、ライブになると良い演奏じゃない場合が
あるバンドさんがいるのが残念なんですよね。それって、最近のMTRって凄い便利に
曲が作れるじゃないですか。だから、生演奏でしっかりと聞かせるということへの
ウェイトが少ないんじゃないかと思うんですよ。だから、予算はわずかでも良いです
から、格安スタジオでも良いので、スタジオでエンジニアに頼んで客観的に自分達の
音を聞いてもらいながらレコーディングをする経験は音質よりも何よりも大事な事
なんではないかと思いました。決して自宅録音を否定しているわけではないんですよ。
現時点で僕はそういうやり方を選択していないという風にお考え頂けると幸いです。
頑張ってください!!

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