2004/06/19 SHIBUYA-FM 78.4Mhz「GOOD WAVE」5回目

 

僕が音楽にのめりこんでいくきっかけとなったものはやっぱり「ギター」
なんですよね。シンセの複雑なエディットやシーケンサーの細かい打ち込み
等も興味は尽きないんですが、やはり素晴らしいギタープレイに出会った時
には未だに感動がありますので、やっぱり僕の音楽の基本はギターなんだ
なぁと。そんな訳で、今週は凄いギタープレイというものに焦点をあてて、
COMRADEがリスペクトする音楽COMRADE SELECTIONをお送りしたいと
思います。

2004/06/19 On Air
COMRADE SELECTION  テーマ「凄腕ギタリスト」

1・Scatterbrain(Jeff Beck)
2・Cause We've Ended As Lovers(Jeff Beck)
3・SUMMER SONG(Joe Satriani)
4・CRYIN'(Joe Satriani)

ジェフ・ベック!!やはり僕の中で誰が一番ギターがうまいのか?という問い
を投げかけられるならば、すかさず浮かんでくるのが彼の名前です。
もう60歳近くになるというのに、デジタルミュージックを大胆に取り入れて、
最新のサウンドの中でトリッキーなギターを爆発させるなど、未だに進化する
その音楽性は信じられない程高いと思います。ジェフベックに関しては
単にギターが巧いということで片付けられない存在ですね。
Scatterbrainのイントロを聞くだけでも、「これから何かが起こるかもしれない」
というアグレッシブな気分にさせられます。ジャズとロックの融合、ジャズ・ロック。
何がジャズで何がロックか、そんな定義はどうでも良いと思えるほど曲と
して純粋にカッコいい。そんな曲ですね。クロス・オーバーとも呼ばれる
ジャンルだと思いますが、僕の中でフュージョンとジャズ・ロックの違いは
フュージョンの人って基本的には「ジャズをやっていた人がロックに近づいた」
のだと思うんですよね。だから”話す言葉”はビー・バップ語になるわけじゃ
ないですか?勿論そうでない人もいると思いますけれど、ジェフ・ベック等に
代表されるジャズ・ロックの人達は「ロックの人がジャズに近づいた」って
感じがするんですよね。だから話す言葉は「ブルース語」なのかな、と個人的
には思います。真実については僕はジャズ喫茶のマスターでもなく、評論家
でも無いからわかりませんよ。 音楽家としてそう感じた、って事です。

また、ベックのギターは「歌」として聴けるというのもポイントですね。
Cause We've Ended As Loversをコピーすると、それはもう一音一音神経を
細かく弾いていかないとあの表現はできないのがよくわかります。
そりゃ、指使いとしては簡単ですよ。しかし、そういう問題ではないのです。
ベックのソロを聞いた後に、最近のハード・ロックの早弾きソロ等を聞くと、
音数は多いけれど、まるで鉄砲の弾を無駄に撃ちまくっているような感じに
とらわれます。音も細いですしね。 ジェフベックのソロはまるで生き物の
ように繊細な表現力を持っています。

ジェフ・ベックのスタイルをリスペクトして、現代的なロックギターのテクニック
を加えて新たに昇華させたギタリストがジョー・サトリアーニだと思います。
CRYIN'を聞くと、彼がモード奏法を取り入れながらも、”ギターで歌う”という
姿勢を見せていることが良く解ります。僕は彼のリディアン・スケール、
ミクソリディアン・スケール、フリジアン・スケールを使ったアドリブのアプロ
ーチが好きです。ソロに関しても無駄に速い音で弾きまくるんではなく、
あくまでも意味のある音としてテクニカルな要素を音楽に持ち込んでいる
ところが素晴らしいと思います。SUMMER SONGを聞くと、テクニックを
極めた人ほどシンプルな事がやりたくなるのだなぁと思います。
誰でも出来るシンプルなロックン・ロールを誰にも出来ない味つけで演奏
するサトリアーニのソロは、さすがスティーブ・ヴァイの師匠!って感じです。

COMRADE SELECTION第5回目をお送りしましたが、凄腕ギタリストは
他にも沢山います。僕は楽器の中では特にギターにこだわりがあります
ので、過去に凄腕ギタリストは沢山コピーしてきましたし、影響を受けて
来ましたので、今度は別なギタリストの作品もオンエアしていきたいと
思います。ギターソロがガンガンかかるラジオ番組ってのもなかなかない
と思うんですよ。殆どの楽曲がイントロAメロBメロサビで切られちゃって
演奏家が精魂込めて演奏した間奏パートはラジオではオンエアされて
いないのが現状だと思いますが、COMRADEの番組では音楽的に素晴ら
しい内容であれば、”間奏だけオンエアする”ということもありうります!!(笑)
番組へのお便り、僕やSingへのご感想・ご質問どんどん待っていますので、
「SHIBUYA-FM GOOD WAVE係」まで、メール下さい! お待ちしております!!



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